大人になると、なぜ昔好きだったものがまた面白くなるのか
新しいものを探すだけが『遊び』じゃない。昔好きだったものをもう一度覗いてみると、今の自分の変化にも気づける。そんな、少し懐かしくて目的のない寄り道の記事です。
昔好きだった漫画を、久しぶりに読んでみる。
昔好きだった曲を、ふと聴いてみる。
子どもの頃に夢中になっていたゲームを、動画で見つける。
すると、
「あれ、こんなに面白かったっけ?」
と思うことがある。
もちろん、昔と同じように楽しめるものもある。
逆に、
「今見ると、なんでこれ好きだったんだろう」
と思うものもある。
でも、不思議なのはそこじゃない。
昔好きだったものを、もう一度覗いてみると、昔とは違うところが面白くなっていることがある。
昔は「かっこいい」だけだった
子どもの頃は、単純だった。
強いキャラクターが好きだった。
速い車が好きだった。
派手な技が好きだった。
面白い漫画が好きだった。
音楽も、
「この曲かっこいい!」
で聴いていた。
それで十分だった。
ところが大人になってから、昔の作品を見ると、
「あ、このキャラクターって、こういうこと言ってたのか」
とか、
「この人、実はめちゃくちゃ苦労してたんだな」
とか、
「この歌詞、今になって意味がわかるな」
とか。
昔は気づかなかったところが、妙に気になる。
同じ作品なのに、見えてくるものが違う。
自分が変わったから、同じものでも違って見える
当たり前といえば、当たり前なのかもしれない。
作品は変わっていない。
変わったのは、自分のほうだ。
子どもの頃には知らなかったことを知った。
仕事をするようになった。
人間関係で悩んだ。
誰かを好きになった。
失敗もした。
責任を持つようになった。
家族ができた。
そういう経験が増えると、昔はただの「物語」だったものが、少し違って見えてくる。
昔は主人公に感情移入していたのに、今は脇役のほうが気になったりする。
昔は「なんでこの大人はこんなことするんだ」と思っていたのに、
今見ると、
「いや、この人も大変だったんだろうな」
と思ったりする。
同じものを見ているのに、受け取るものが違う。
なんだか面白い。
「懐かしい」だけじゃない
昔のものを見ると、
「懐かしいなあ」
で終わることもある。
でも、たまにそこから先がある。
昔はわからなかったことが、今ならわかる。
昔は興味がなかったものが、今は気になる。
昔は気づかなかった細かい部分に、妙に惹かれる。
つまり、昔のものをもう一度見ることは、
昔の自分を見ることでもあるけど、今の自分を知ることでもある。
「あ、自分ってこういうところに今は惹かれるんだ」
と気づく。
それって、ちょっと面白い。
大人になってからの「好き」は、少し変わる
子どもの頃の「好き」は、かなり強い。
好きなら好き。
嫌いなら嫌い。
理由なんていらない。
でも大人になると、
「なんとなく好き」
が増えてくる。
昔ほど熱狂しているわけじゃない。
毎日追いかけるわけでもない。
でも、たまに触れると心地いい。
昔好きだった音楽を車で流す。
古い漫画を一冊だけ読む。
昔見ていた映画を、休日の夜にもう一度見る。
そういう時間が、意外といい。
そして、昔好きだったものは意外と逃げない
新しいものを追いかけるのも楽しい。
知らない店を見つける。
知らない街を見る。
知らない音楽を聴く。
知らないものを覗く。
でも、全部が新しい必要もない。
昔好きだったものを、もう一度覗いてみる。
それも立派な寄り道だと思う。
しかも面白いのは、
昔と同じものなのに、今の自分には違って見えること。
新しいものを探しに行かなくても、
自分が変わっていれば、昔のものまで少し新しくなる。
たぶん、大人の遊びって、そういうものなのかもしれない。
新しいものを探すだけじゃない。
昔好きだったものを、もう一度覗いてみる。
昔の自分と今の自分を比べて、
「へぇ、俺ってこんなふうに変わったんだ」
と気づく。
別に成長している必要もない。
昔より詳しくなっている必要もない。
ただ、
「なんか、今見ると面白いな」
と思えれば、それでいい。
さて。
今日は帰ったら、昔好きだった曲でも聴いてみようかな。
……何を聴いていたっけ。